2014年3月23日 エペソ人への手紙 -人の徳を養うのに役立つことば-

悪いことばを、いっさい口から出してはいけません。ただ、必要なとき、人の徳を養うのに役立つことばを話し、聞く人に恵みを与えなさい。
エペソ4:29


講解説教No.30
エペソ4章29,30節

 クリスチャンの聖化の問題、次は私たちの口、話すことばの問題について考えます。聖書は頻繁にこの問題を取り上げています(25、31、5:3~)。ヤコブの手紙では「ことばで失敗しない人がいたら…」と舌を制御することの難しさを語っています(3:2,8)。「悪いことば」とは、その後の肯定的な教えから考えると、人に害を与えてしまうもの、人を損なうことばなのでしょう。悪いことばを口から出すか出さないかということではなく、知らぬ間に出てしまう問題です。難しい問題ですが、キリストのからだの建て上げに直接影響するものですから、真剣に取り組まなければなりません。逆に私たちは「人の徳を養うのに役立つことば」を話すのです。

 人の徳を養うとは「建築」の意味です。つまり建築に役立つことばを話すのです。とりわけ教会を建て上げるのに役立つことばです。聞く人、つまり教会の兄姉に恵みを与えなさいとあるように、聞いた人が恵まれるように話します。なぜこのことに取り組まなければならないかの、もう一つの大きな理由は「神の聖霊を悲しませてはならない」からです。神は愛のお方ですから、「彼らが苦しむときには、いつも主も苦しみ」(イザヤ63:9)と共感してくださいます。ですから、聖霊を痛ませ、悲しませえることは未然に防ぎたいのです。この聖霊のお力によってキリストの証し人(使徒1:8)となるのであり、また宣教のゴールである「贖いの日」即ち御国に入る救いの完成の日の保証であられるお方です。なおのこと悲しませてはならないのです。心に満ちているものを口は話します(ルカ6:45)。イエスの心に満ちていることばは「その口から出てくる恵みのことば」(ルカ4:22)です。私たちがことばによって勝利をしていくには、このイエスその方を学び、イエスのおことばによって育てられていくことがベストです。