2014年10月12日 ルカの福音書-羊飼いたちの信仰-

羊飼いたちは、見聞きしたことが、全部御使いの話のとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。
ルカ2:20


 天の軍勢の賛美は、キリストのことを良く知っている御使いたちによって、キリストの生涯と働きについてたたえています。第一にいと高き天におられる神に栄光をもたらすことです。最大の栄光はイエスの十字架です(ヨハネ12:27,28)。御使いたちは飼葉おけに寝ておられる姿を見て、栄光の主を確信したことでしょう。第二に地の上と御心にかなう人々に平和をもたらすことです。その点について特に羊飼いたちに注目したいのです。彼らがその場を離れて救い主を確認しに行くということは、仕事と生活を一時放棄するということです。ベツレヘム中の家畜小屋にある飼葉おけを捜し続け、ついに救い主としてのしるしである飼葉おけにたどり着いたのでした。その彼らに最終的に与えられたものは主をたたえる賛美です。彼らだけではなく、ルカの記録した誕生ストーリーの中は賛美に満ちており、御使い、マリヤをはじめザカリヤ、この後のシメオンに至るまで。その共通していることは、「へりくだる者は主によっていよいよ喜び、貧しい人はイスラエルの聖なる方によって楽しむ」(イザヤ29:19)です。賛美はへりくだる者、心の貧しい者の特権です。これは高ぶっていない、謙遜な人を意味しているのではありません。心の打ち砕かれた人のことを意味します。人の心は「石の心」(エゼキエル11:19)で、かたくなで、ゆるせず、ねたみ、自分本位で、常に疑い、怒る心を制御できません。このような石の心を自らの力によって砕くことのできない状況に置かれています。神だけがこれを砕くことが出来ます。つまり、へりくだる者、心の貧しい者というのは、神の前に打ちのめされた状態にある人のことを言うのです。社会から追い出されながらも意地になって羊飼いをやっていた彼らは、神なくして存在し得ない自分を悟り、神に向かってただひとこと「助けてください」と言うことができたのでした。御心にかなう人とはこういう人のことです。主は心の打ち砕かれた者の近くにおいでくださるのです。自分に誇るところがないと認め、神に助けを求める幸いな人はいないでしょうか?神の前に砕かれる必要のある人はいないでしょうか?神の救いとその恵みを受け取ってください。