2014年12月14日 ルカの福音書 -ほかの町々にも福音を-

しかしイエスは、彼らにこう言われた。「ほかの町々にも、どうしても神の国の福音を宣べ伝えなければなりません。わたしは、そのために遣わされたのですから。」
ルカ4:32


講解説教No.16
ルカ4章40-44節

 人々に福音を伝えるイエスの動機は、「あわれみ」です。イエスが「ひとりひとりに手を置いて、いやされた」とあるように、ひとりひとりと向き合い、その存在を大切にされている姿はあわれむ心がにじみ出ています。翌朝人々が見当たらないイエスを探し回り、「自分たちから離れて行かないよう引き止めておこうと」しました。人々の理由ははっきりしています。病気を直してくれるから、悪霊から助けてくれるから、養ってくれるから(ヨハネ6:13-15)。引止めは、いわゆる政治的理由です。(消費税など経済、暮らしのこと、働き方のこと、原発のことなど、明日私たちは生活に反映させるべく選挙が委ねられています。)イエスは確かに苦しんでいる人々をいやしましたが、そこがあわれみの到達点ではありません。ですから、イエスは彼らの求めを拒否されました(43節)。イエスが彼らに与えようとしているものは暮らしそのものではなくて、神の国の福音です。福音とは、「悔い改めなさい」とイエスが宣言して宣教を開始された罪からの救いを人々に知らせることです。人は目にみえる経済や健康の問題以上に見えない罪の問題を解決しなければなりません。罪とはまことの神を故意に拒否することです。罪の中にいる者は報酬として死を受け取らなければなりません(ローマ6:23)。罪の未解決の場合、この結末をかわいそうとイエスは言っておられるのです。この罪からの救い主がイエスキリストです。私たちの罪のために十字架で死なれ、三日目によみがえられました。このキリストを信じるなら救われます。イエスが宣教を貫くことが出来たのは「そのために遣わされた」というように、父なる神の御心に従ったからです。このことから、教会の最大の使命は福音を宣べ伝える宣教にあることは間違いありません。